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思えばそれは7月に、遠くに住む友人から家族アルバムを拝借していたときだった。
その中の1枚に、友人の母の若い頃の写真があって、
友人の母はその友人たちと5人で、巨大なサボテンの前で記念写真を撮っていた。
わたしはしばらくその写真が頭の隅の方に引っかかっていて
7月は夢にも出てくるくらいだった。
これはどこなのか教えてほしいと友人に連絡を取ると
「 ママに聞いたら伊豆のシャボテン公園だって 」と数分しないうちに返事が返って来る。
私の友人は、その写真の中の彼女の母に生き写しなくらいそっくりだった。
着ている派手めの色の服だとか、いっしょに写っている周りの友人たちの中でも
1番に目をひくタイプなところだとか、
そうゆうところも含めて本当に彼女は彼女の母親そっくりで、私はそれをとてもいとおしいと思った。
広い園内で、絶えず注意を奪われる
思いがけずその場所は、7月に私が見たあの夢のようなところだった。
リスザルは私の腕や肩をくるくると走り回ったし、
シャボテンの温室は想像していたより、音もなく静かだった。
私は先のその写真にとても惹かれていたのだけれど、
私が同じようにサボテンの前で撮った写真は、
やっぱり友人の母のその写真のようには、まるでならなくて、
きっとそれこそが、わたしと彼女の違いであって
いつのまにか私は、写真の中の彼女の母親を、彼女として見ていて、
なんとなく写真のなかの彼女にとても嫉妬していた。
とどのつまり、私は彼女にはなれないということを、そうやって写真によって思い知るのだ。
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